研究開発スペシャリストのAnova社(アンカラ)は、テストのサイクルタイム短縮と、カバレッジ率の改善に、JTAGバウンダリスキャンテストを導入しました。 採用したXJTAG社のツールは、わかりやすい結果が迅速に得られることに加えて、カスタムテストの開発と再利用が容易である特徴を生かすことで、生産性を継続的に改善することができました。
Anova社は、ヒューマンマシンインターフェース、制御システム、熱管理などの専門知識を持つR&Dサービスプロバイダーであり、防衛、航空宇宙、自動車、家電、エネルギー、環境、建設、機械製造などにサービスを提供しています。 トルコのアンカラを拠点とし、イスタンブールとイズミルにオフィスを構える同社は、プロトタイピングから生産エンジニアリングまでの活動に従事する100人を超えるハードウェア、ソフトウェア、機械系のエンジニアを雇用しています。
典型的なプロジェクトでは、設計の妥当性確認と検証を支援し、生産開始の準備を支援するために、電子モジュールの広範なテストが必要です。 一方で、修正が必要なエラーを特定するために、各ボード上の接続とデバイスをできるだけ多くテストすることが重要です。 一方、エンジニアはボードをセットアップし、テストルーチンをすばやく実行して、生産性を最大化し、顧客に迅速なターンアラウンドを提供する必要があります。
これら両方の目的を確実に満たすために、AnovaのエンジニアはXJTAGバウンダリスキャンテストツールを採用しました。「XJTAGバウンダリスキャンテストツールを導入することで、ボード上のデバイスのテストに費やす時間を約50%削減しました」とAnova社電子システムエンジニアリングチームリーダーのNurettin Yilmaz氏は話しています。
またXJTAGで高いテストカバレッジを達成しています。 Anovaの設計では通常、バウンダリスキャンチェーンのメインJTAG互換デバイスとしてFPGAがあり、XJTAGを使用して接続された非JTAGデバイスをチェーン内のデバイスと同じように簡単に操作できます。 したがって、ADC、バッファ、センサー、CANトランシーバー、RS422ドライバー、RTCチップなどの部品はすべてXJTAGでテストできています。
XJTAGシステムは、初期の開発やデバッグ、製造工程の検査、フィールド診断、修理までのライフサイクル全体をサポートするモジュール式のソフトウェアおよびハードウェア製品で構成されています。 Anovaは、包括的なテスト開発環境であるXJDeveloperと、事前にコンパイルされたテストプロジェクトの実行に重点を置いたランタイム環境であるXJRunnerを使用しています。
XJDeveloperは、XJTAGのテスト機能への完全なアクセスを提供します。 基本的な相互接続テストなどの自動テストが組み込まれており、ハードウェアチームはアプリケーションコードの準備が整う前にボードのテストを開始できます。 標準のロジックコンポーネント用のすぐに使用できるテストのライブラリが組み込まれているため、エンジニアはバウンダリスキャンテストの実行をほとんど直ぐに開始できます。
XJTAGの強力なテスト開発言語であるXJEaseは、結果を迅速に取得することに長けています。XJEaseは、デバイス固有の機能を使用して接続が正しいことを確認するデバイス固有のルーチンとしてテストを記述できる、完全なプログラミング言語であることが他社にはない優位性です。 XJTAGには多くのデバイスのテストライブラリが付属していますが、ユーザー独自のカスタムスクリプトを記述し、XJEaseに付属のデバッガーを用いてステップ実行、ブレークポイントの設定、変数の確認なども行えます。それは他のプロジェクトにも、そのまま再利用できます。「XJEaseの構文は直感的で、複雑なテストであっても素早く作成できます。テスト結果もわかりやすく、欠陥を迅速に診断できています」とYilmaz氏は続けて話しました。
「XJTAGを継続的に活用して、テスト開発のノウハウを蓄積しながら、カスタムテストライブラリを充実させるという効果も期待できます」